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無意識下の心の自己防衛メカニズム

2005.05.24
人の心の中には、自分では普段意識していない無意識の世界=深層心理(無意識)があります。
何気ない動作や行動、考え方は、これらの強い影響を受けています。慌てた時や焦った時にその人の無意識の真相を見ることができます。
 よくこの人どうですかという質問を受けることがありますが、そんな時には、「渋滞の時にドライブにつれってて貰いな」とよく言っています。
運転に集中しているため、言動は無意識下のもとで発せられることが多くなります。
 特に渋滞のときはフラストレーションが溜まるので、その時の心のメカニズムの働き方を観察すれば、その人の深層心理を見極めるのに有効だと思います。

 人は心の成長過程を通して自我防衛機制を用いて、無意識下に記憶を移動し忘れようとしています。
 つまり無意識=深層心理は自分が認めたくない思いや、他人に知られたくない欲求がたくさん詰まっている記憶の部分といえます。
 以前、正しい自己防御方法について記したことがありましたが、改めてフロイトの分類に基づいて、無意識下の心の自己防衛メカニズムについて整理しておきたいと思います。
 更にこの分類にのっとり逆手にとって、プラス思考、前向きに心の防御方法について考察を深めてみたいと思います。

1.代償的規制
1−1補償:劣等感をカバーするために優越点を見いだそうとする意識や行動
 子供には元来、優越欲求や完全欲求があるそうです。大人になってそんなに意識しなくなっても深層心理下では生きています。
 自分や相手のの欠点を許せない、そんな時には優越点を探してみましょう。欠点は誰にでもあるものです。
 身体的条件や障害など欠点やコンプレックスを消すのが根本的に難しい場合もあります。
 そんな時は長所や優越点をたくさん作ったり見つけたりすることで解消できます。3つの劣等感や欠点があっても4つの優越点や長所があればいいのです。

1−2置き換え  代理の対象により欲求を充足すること
 仕事が好きになれなければ趣味に走ればいい。
 自分の優越欲求を満たせる何かを持つこと、そうすれば心は守られます。何かあるでしょう。何か。もし無ければ作りましょう。
 人と比べないで自分のペースで思い、行動すること、その前向きな気持ちや行動が自分の満足を導き心を守ります。

1−3昇華:欲求を社会的に許容されるものに変えること
 出世が遅れた、ボーナスが低い、など悩むことって多いと思います。
 よく考えれば会社自体が傾いていたのに、自分もサラリーマンの時はなぜあいつより低いんだ!って怒ったこともありました。その後、独立して会社を興しましたが、今度は貰うどころか払う方になってしまいました。そんな時は「俺流を貫いた生き方をしているんだ、みんな食えていけるならいいんじゃないか」と思うことでかなり救われています。これは昇華といえるんでショウカ。なんちゃって。

1−4同一化・同一視:他を自分の属性のように見なすことで満足すること
 典型例は、追っかけやアイドル、尊敬する人。
自分の好きな人と同じ言動や行動をとることにより、心身ともにその人になりきり、不安や衝動を解決する心のメカニズム。憧れの対象を作り、真似てみましょう。自分の○○ちゃん、と言ってみましょう。それだけでなんか幸せになれちゃいます。

2.緊張低減
2−1合理化:行動を正当化すること
 極端な例は、言い訳やわがままな人。自分の論理だけが正義だと思い、主張が通らないと被害者だと考える人よくいますね。自分もたまにそういう時あります。
 現実を直視し反省することで次のステップが生まれます。間違ったり相手の方が正しいなと思ったら謝る。そこから次の創造がはじまるのです。誤ることは恥ずかしいことではありません。間違っても誤りを認めないことが恥ずかしいことなのです。

2−6隔離・逃避:感情を切り離してしまうこと
 典型例は「引きこもり」。感情が自分の表情に出ることを極端に恐れたり、口が重いなどの状況。強い欲求不満が背景にあります。
 隔離を利用した防御方法は、ずばり、「気にしない、別次元の価値観で生きている人だ」と思うことです。感情を切り離して心を守りましょう。

3.非現実的逃避
3−1投射・投影:自分の態度や衝動を他人へ転嫁すること
 自分の中にある認めたくない無意識的な感情を、他者に見出して、不快を感じたり、憧れたりすること。
 影とは自分のコンプレックスのこと。
 相手を嫌悪したり、憧れたりするときには、自分の深層心理の中に同じ影があることを自覚しましょう。心理は裏返し、表裏一体なのです。
 よくよく現実や実際はどうなのか直視してみると、意外と自分の過剰反応であることがわかります。

3−2白日夢:欲求を空想によって満たす
 成功イメージ、幸福イメージを持つ。とりあえずは空想でもいいから「いいイメージ」をもって欲求に近づいて見ましょう。

3−2退行:未分化の幼稚な感情の反応を示すこと
 幼児には自分の欲求が満たされない時に、相手をぶったり罵ったりして心を満たすケースがあります。これは衝動解決方法という心のメカニズムだそうです。
 大人でもたまに幼児に戻ってしまうことがままみられます。
どうしようもなく困ったら、敢えて泣き叫んでみるのも悪くないと思います。
 泣きたい時には泣かせてあげるが一番。冬ソナでもそんなシーンありましたね。

4.抑制の押さえ込み
4−1抑圧:受け入れられないものを無意識下に封印すること
 意識するからフラストレーションが高まります。
人の心は便利なもので抑圧というメカニズムを使えば、無意識下に封印することができます。
「気にしない」ようにすればいいのです。

4−2否認:苦痛な現実や感情を無意識的に否定すること
問題の存在そのものを認めない方法です。
嫌な事があったら「無かったこと」にしましょう。

4−3反動形成:禁止された欲望を反対のものに転化すること
 典型例は好きなのに苛めてしまうなど逆の行動をしてしまうなどの行為です。
 この反動形成をうまく利用すれば「禁煙」が成功できるかもしれません。禁煙セラピーの本があるので今度、心理学的アプローチでよく分析をしてみたいと思います。自分には無理なく深層心理を利用して楽にやめたい、そんな願望があります。
目指せ禁煙!ヒントは反動形成か。

 
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